約 220,453 件
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1098.html
{夜、二人きりで行くにはムードが無い場所だな} 夜。 午後十一時過ぎぐらいに俺はムクリと起きた。 パンツ一丁で寝てたから私服に着替え机に近寄る。 机にはアンジェラス、クリナーレ、ルーナ、パルカが充電器(クレイドル)の上でスヤスヤと寝ていた。 四人とも可愛い寝顔で寝ているのを見て俺の心に癒しが与えられる。 もうパルカなんて右手の親指をくわえて、寝てる姿なんて萌え萌えで凄すぎるぜ。 そんな彼女達を起こさないように、俺は抜き足差し足で部屋を出て行こうとする。 ドアノブに左手で回し部屋を出ようとした…その時だ。 「何処に行くですか、ご主人様?」 「…アンジェラス。起きてたのか?」 アンジェラスが机の端のギリギリ辺りで立っていた。 あぁ~見つかってしまった。 任務失敗、ゲームオーバー、デストロイー。 「何処に行くんですか」 真顔で言うアンジェラスはちょっと恐かった。 まるで『嘘や言い訳は言わないでください』みたいな感じで、そのつぶらな青い瞳が俺を見抜く。 ここは正直に言った方がいいなぁ。 「ちょっと、闇市場に行こうかなぁ~って…」 「!?…何でそんな所に…」 アンジェラスの顔が曇る。 そりゃそうだろう。 俺が行く所は違法だらけのブツが売買されてる市場に行くのだから。 「私は…とてもご主人様が心配です。もしご主人様の身に何かあったら、と思うと………」 「………」 「私は…」 今にも泣きだしそうな声で言うアンジェラス。 参ったなぁ~。 今ここで泣かれるのは困る。 クリナーレ、ルーナ、パルカを起こしてしまう可能性があるからな。 しょうがない。 「…そんなに俺の事が心配なら一緒に来るか?」 「えっ!?」 アンジェラスは泣きだしそうな顔から驚きの顔に変わる。 「時間も押してるし、一緒に行くか行かないか早く決めろ」 「行きます!」 今度は真剣な顔になる。 喜怒哀楽がはっきりしてるなぁ。 俺はアンジェラスを優しく右手に乗せて部屋を出る。 「あの、みんなは?」 「あいつ等も連れて行くと厄介事が起きそうになるから二人っきりで行くぞ」 「二人っきり!ご主人様と…二人っきり。夜のデート」 顔を赤くしながら何やらぶつぶつと呟くアンジェラス。 声が小さかったからよく聞こえなかった。 「アンジェラス、何か言ったか?」 「いえ!何でもないです!!」 「?…まぁいいや」 実際、アンジェラスが何を言ったかなんてどうでもよかった。 家を出て車に乗り、アンジェラスを胸ポケットに入れる。 さすがにズーっと片手運転はマズイからな。 クダラナイ事で逮捕はされたくないし。 車のエンジンを掛け発進する。 夜を明るくする街灯がとても綺麗。 だがこんなの表の世界に過ぎない。 裏の世界ではヘドが出そうなくらいの汚さがあるのだからな。 これからそんなシットヘルみたいな所に行くのにアンジェラスを連れて来てよかったのだろうか…。 「ご主人様と私だけの夜のドライブ…キャー恥ずかしい」 「………」 こいつは何だか浮かれてるし。 心配をしてる身にもなってくれ。 予め車の中に置かれていた煙草をくわえシガーライターで火をつける。 その様子を見たアンジェラスが。 「あ!ご主人様、また煙草なんか吸っちゃってー」 「先に言っとく、運転中だから煙草を奪う行為はやめろよ。危ねーからな」 「もう!今だけですよ!!」 アンジェラスは俺が煙草を吸う度に怒るんだから困ったもんだ。 一応、お前等が来てから煙草の本数を減らしてるんだぞ。 この前はなんて地獄を見る程の酷さだった。 あの出来事はけして忘れる事は無いだろう。 俺が煙草をきらして予備のワンカート(煙草の箱、10箱入りのやつ)を戸棚から取り出そうとしたら戸棚には無くて探すはめになり、『あれ~何処いったんだー』探してるうちに庭から何か焼ける臭いと音が聞こえ、行ってみればそこにはアンジェラスが俺のジッポを使ってワンカートを燃やしていたんだ。 あの時の俺は怒るを通り越して絶望感に浸ってたね。 煙草を吸う以前の問題だ。 だってワンカートを一つ買うだけで三千円も取られるんだぞ! 三千円もだ! 千円札が三枚も! …ワリィ、今ちょっと取り乱した。 あの時のアンジェラスは悪魔だったなぁー。 デビルデーモンみたいな感じ? 「今、私の事を見て『悪魔だ』とか思いました?」 「別に」 オマケに鋭い洞察力をお持ちで。 多分、あの四人の中で一番危険で怖いのはアンジェラスではないのかと思ってしまう。 けど、こんな奴でも可愛い所はある。 武装神姫用の整備オイルを買って来てあげた時は、俺の右手に抱き着いて後に恥ずかしそうに離れて顔をポッと赤めながら両手をモジモジする。 う~ん、萌えるぜ。 出来ればその後、上目づかいで『有り難うございます、ご主人様』なんて言われたもう…。 これ以上言うとヤバイ単語がメタクソに出てくるので言わないでおこう。 胸ポケットに入ってるアンジェラスをチラッと見る。 セミロングの金髪が車のクーラーから吹かれる風で優しくなびく。 なびいた髪を右手で軽く押さえ少し顔を傾け、物思いふける表情で風景を見つめる。 「…ゴクリ」 唾を飲み込み運転に集中した。 あまりにも可愛いすぎて…いや美少女すぎて見とれてしまったのだ。 喉を鳴らす程の…な。 そして不意に俺はこんな事を口走ってしまった。 「なぁアンジェラス、俺とお前って昔どこかで会った事ないか?」 「…え!?」 驚いた表情になり俺を見る。 え、そんなに驚く事か? ていうか、何言ってんだ俺ー!? ありえないだろう! 相手は武装神姫なんだぜ。 前に会った事があるなんて絶対に無い。 あぁ~何だか恥ずかしいなぁー。 「何でもねー。今言った事は気にすんな」 「…はい、分かりました」 そして暫くの沈黙。 恥ずかし過ぎるのでアンジェラスの顔をまともに見る事が出来ない。 今、あいつの顔はの表情はどーなってんだろう。 見たいけど見れない。 ハズィ事を言ってしまった俺はどうする事も出来ず、そのまま闇市場に着くまで運転に集中する事にした。 …。 ……。 ………。 有料駐車場に車を止め、下りる。 ここら辺は無法地帯だから路駐なかしたらパクられるのがオチだ。 煙草を胸ポケットに入れようとしたが、今はアンジェラスが胸ポケットに入っているので煙草をいれる事が出来ない。 仕方なく、俺はズボンのポケットに入れた。 「ご主人様、ここが…」 「そうだ、ここはアンダーグラウンド…まぁ所謂、悪の巣窟の街かな。どいつもこいつも悪ばっかだ」 駐車場から出て大股で歩く。 ガラの悪い連中や性風俗店の呼び込みをやる野郎どもがわんさかいる。 俺に『そこのニ~ちゃん、若い子がいるよ~』とか言いながら近づいて来るがシカトする。 行く気が無い訳じゃないが、金は高いし病気を移された堪ったもんじゃないからな。 「何処に行くですんか?」 「俺が世話になってる店に行く」 「…風俗店じゃないですよね」 「あのなぁ。今はそいう気分じゃねぇーの」 「そいう気分だったら行くんですか?」 「いちいち五月蝿いなぁ。俺が行く所は何でも屋みたいな所に行くの」 「そうですか、良かったです」 胸を撫でおろすアンジェラス。 全く、俺をそんなに性風俗店に行かせたくないのか? まぁどうでもいいけどね。 俺は駐車場から十分ぐらい歩いた後、小汚い一軒の店に着いた。 店の名前は『★BLACK・STAR★』という。 私的には何が『何が言いたいんだ?黒い星という意味は解るが、店として名前には合わない気がする』と思う。 そんなくだらない看板をチラッと見てドアに右手に掛け開けた。 店の中はぐちゃぐちゃで何が商品なのかも解らないぐらいの荒れだ。 まあ、所々に物に値段の名札が付いてるから少しは解るだろう。 辺り見回し店長が居ない事に気付いた俺はカウンターに置かれてある呼び鈴を鳴らした。すると。 「んだよ~、後もう少しでクリアーできるのに、こんな時に客かよ」 カウンターの奥にあるドアから男性の愚痴が聞こえる。 予測するとテレビゲームでもやってるんだろう。 ドアが開くとまるでヘビー級のボクサーみたい体格を持つ男が来たのだ。 頭には迷彩柄のバンダナにサングラス、にヒゲを生やしている。 「ヨッ。元気にしてか、オヤッさん?」 軽々しく挨拶をする俺。 アンジェラスの奴は胸ポケットで『失礼ですよー』と言っていたが今はシカトしとこう。 「おおぉー!閃鎖じゃねぇかぁー!!今日は何のブツを持ってきたんだい?」 オヤッさんは俺を見た瞬間上機嫌になった。 それもそうだ。 何故なら俺はこの店に自分で作った違法改造をオヤッさんに渡し、この店で売りさばいてもらっている。 商品の値段はだいたい六桁から七桁。 売れた物の半分の取り分は俺で残りの半分はオヤッさんにいき渡る。 俺じゃ、違法改造で作った物を売りさばくのは無理だからなぁ。 それにオヤッさんとはこの街で唯一信頼出来る人間でもある。 因みにオヤッさんが俺に対して言った『閃鎖』というのは、この街でのニックネームみたいなものだ。 『オヤッさん』といのもニックネームだ。 この街で本名がバレルとろくな事しか起こらない。 この街の独特のしきたりと言ってもいいかな。 さて、話しをそろそろ戻そうか。 「オヤッさん、今日はブツを持って来た訳じゃねぇんだ。ちょっと情報が欲しくてよ」 「情報?どんな情報だ??ここら辺の情報ならたいてい知っているぜ」 「そいつは有り難い。実は武装神姫について聞きたいんだ」 「武装神姫かー、確かに情報はあるがお前に役立つどうか解らんぞ」 「別に構わねーよ、武装神姫の全ての情報提供してくれ。その変わり、一ヶ月前の取り分はオヤッさんが全額貰っていいからさぁ」 「その話し、のった」 オヤッさんは笑いながら俺を見る。 俺もオヤッさんを見ながらニヤける。 はたから見たら密談に見えるだろう。 「あの、ご主人様。この人は?」 「おっと忘れてたぜ。オヤッさん、コイツが俺の武装神姫、アンジェラスだ」 胸ポケットから左手の手の平に乗るアンジェラス。 するとオヤッさんは珍しい顔をした後、ニヤニヤと笑った。 「オメェさん、いつのまに武装神姫に手を出すようになったんだ?」 「そうだなぁ、弱参月前ぐらいかなぁ」 「ほ~う、こいつはまた面白い組合せだな。武装神姫関係の武器を違法改造で店に提供するオーナーに優しそうな天使型の人形か…。アンジェラスとか言ったな、こいつにはドーピングや違法改造武器を使用させてないのか?」 「あぁ。こいつ等にはそいう類いな物は使わせないよにするつもりだ。特にドーピングなんか使った瞬間、その神姫はメタクソに強くなる代わりに何回かで絶対ブッ壊れる、と聞くぜ」 「ドーピングなんかまだいう方だ。これ見てみぃ」 店員のカウンター方からデッケー長細い鞄を持ち出してきた。 つか棺桶に見える。 オヤッさんがその棺桶みたいな鞄を開けると中身は武装神姫の天使型の人間の裸で横たわっていた。 身長は160cm前後。 人間サイズだ。 俺は見た瞬間、こいつが何に使われるかすぐに解った。 所謂、セックスドールていう奴だ。 「こいつはどうやって手に入れたんだ?」 「まぁーそこらは辺は色々あるわけよ」 「言えねぇーか…まぁどうでもいいけどね。で、こいつの使い方は?」 「なんだ、お前、使いたいのか?」 「まっさかー。んなわけねぇーよ。ただ、こいつはどのようなプログラムされてるの気になってな」 「そいう事かい。いいぜ教えてやるよ」 オヤッさんからの話を話を簡単にするとこうだ。 まず、母体となる武装神姫をこいつの腹に付いてるハッチを開け、その中にいれる。 ハッチを閉め、起動させると母体となってる武装神姫の人格で起動するのだ。 まぁその後は誰でも予想出来る『お楽しみタイム』だ。 噂によると膣のしまりは女の人間より良く、気持ちいいらしい。 バリエーションも豊富で幼児体系やセクシー体系でも何でも出来る。 そこがこの人形の利点らしいが。 こいつにはちょっとした欠点がある。 いくら人間そっくり作っているかって所詮人形。 何回も使えば壊れる。 あぁ~この場合の壊れるはヤッた回数でアソコが壊れるのではなく、母体となってる武装神姫そのものを示している。 つまりだ、中に入ってる神姫はこのセックスドールのプログラムとの相性が悪く神姫自体のプログラムが破壊されてしまうのだ。 破壊の理由はこうだ。 このセックスドールに入り起動させたら最後、入ってしまった神姫は快楽とい名のプログラムがセックスドールから流れ込み神姫のプログラムに身体の隅々まで入り込み、神姫としてのプログラムを次々に破壊していくのだ。 しかも時間を掛けてじっくりじっくりとな。 一種のコンピューターウイルスといってもいいかもな。 で、壊れてしまった場合はハッチを開け神姫取り出し、また新たな神姫を入れる。 その繰り返し。 エンドロールって訳だ。 しかもこの商売は結構儲かってるらしい。 ケッ! 反吐が出るような商売だぜ。 アンジェラスの奴なんかあまりにも酷な話だと思ったのか、途中で口を手で押さえ必死に気持ち悪いの堪えていた。 まぁ自分の同胞がそんなヤクチュウみたいになるのは嫌なのだろうよ。 解らなくもない。 人間でいえば親友が薬物で死んだ時のショックと似たようなもの。 やっぱり、こいつは連れてくるべきじゃなかったのかもなぁ。 そろそろこの話を終わりにするから。 アンジェラスのためにも。 「オヤッさん、この商品を売るつもりか?」 「いや、こいつは売らねーなぁ。それに預かり物だ」 「預かり物?」 「そうだ。そのうちこいつを持っていく業者が来て、俺に預かった期間分の金がそいつらから貰え得る寸法さぁ」 「やっぱ、金がらみか。オヤッさんらしいぜ」 「だはははーーーー!!!!ちげえねぇー!」 「で、話を戻すけど、他の武装神姫の情報は無いのか?」 「無い!」 「ちょっ!おまっ!?」 「悪いな、マジで武装神姫に関係してる新しい情報はこれしか無いんだ」 本当になさそうだ。 オヤッさんの顔で察しがつく。 オヤッさんとは結構長い付き合いだからなぁ。 「情報が無いなら、俺は帰るよ。また何か情報が入り次第、連絡してくれや」 「そのぐらい事はしてやるよ」 「よろしく頼むぜ。またなー」 「おうよ」 店から出て自分の車を止めてる駐車場に足を向ける。 「アンジェラス、大丈夫か?」 「はい、大丈夫ですよご主人様」 「やっぱ、お前を連れた来たのは失敗だと思うだよなぁ~。嫌な事を聞いちまって気分悪いだろ?」 「えぇ…。でも事実ですから仕方ないです」 「仕方ない…かぁ…」 胸ポケットに入ってるアンジェラスから視線を外し、濁った空を見上げる。 相変わらず環境をブチ壊すような煙が店の排気口から出ていて、せっかく月が出ているというのによく見えない。 何故かアンジェラスが言った『仕方ない』という言葉が俺の頭の中に刻み込まれる。 こ~う、なんて言えばいいのかな。 何か自分が出来る事があるかな、みたいな感じ? 良く解らないがそんな感じだ。 案外、このモヤモヤは次にオヤッさんと会った時に解るかもな。 「ご主人様~早く帰りましょー。夜更かしはいけませんよ」 「あのなぁ、もう午前四時だっつーの。今日が昨日で明日が今日になっちまったの」 「だから一刻でもいいから帰りましょう」 「はいはい、解ったよ。帰ればいいんだろう」 「『はい』は一回ですよ。前にも言ったように、ご主人様は言葉使いが乱暴で…」 クドクドとアンジェラスの説教が始まったので、俺は聞いてるフリしながら駐車場に向かった。 因みに『乱暴で』の後は何言ってるのかさっぱり頭に入ってなかったので、後でアンジェラスに『何を言ったか言いなさい』と言われてしまった困った。 嘘をつけばその場はすぐに流すことができるが、相手はアンジェラス。 何故か俺が嘘ついいてるのかが分かって、嘘だと分かった瞬間すぐさま俺の所に来てクドクドと説教が始まる。 それでもバックレルとパルカのお気に入りのモアイ像が俺に目掛けて投げつけてくるのだ。 だから今日は正直に『聞いてなかった』と言ったら…ニコヤカに笑いながらモアイ像を投げつけられました。 結局、こうなる運命なのね。
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/390.html
凪さん家の十兵衛さんのお品書き あらすじ ある日、専門学生の凪千晶は一体の武装神姫を拾う。 過去の忌まわしい記憶から逃げ出そうとするその神姫に凪は言う。 「壊してやるよ」 かくして過去の忌まわしき記憶を秘めたその神姫は左眼の眼帯と共に新たな道を歩みだす。 その名は十兵衛。 「…十兵衛…推参…!」 ここではチアキが書いて描いて作ったりした「凪さん家の十兵衛さん」を掲載しています。 著/チアキ 作ったり描いたりした物はこちらに↓ <ギャラリー> <登場キャラ紹介> お話一覧 <正しい時系列で読んでみる> 第一話 <出会い> 第二話 <眼帯> 第三話 <ある日の休日> 関連作品 魔女っ子神姫☆ドキドキハウリン 第四話 <十兵衛、参戦> 関連作品 ねここの飼い方 第五話 <殺戮の歌姫> 第六話 <朝霧の紅眼> 第七話 <冬の日> 関連作品 ねここの飼い方 HOBBY LIFE,HOBBY SHOP 第八話 <真・十兵衛、推参> 関連作品 岡島士郎と愉快な神姫達 閑話休題その一 <眼帯の休日> <凪の暴走>#18禁要素有り <妄想> <番宣CM> 関連作品 魔女っ子神姫☆ドキドキハウリン 第九話 <GとJ> 関連作品 HOBBY LIFE,HOBBY SHOP 武装神姫のリン ねここの飼い方 第十話 <その名はG> 関連作品 HOBBY LIFE,HOBBY SHOP 第十一話 <弁慶参上> 関連作品 凪さん家の弁慶ちゃん
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1308.html
「ところで犬子さん」 「なんでしょうマスターさん」 「貴女本体の起動と充電用クレイドルとPC接続キットの設置。これで、準備としては十分なのでしょうか?」 「はい。マスターさんの私の主な使用意図は、電子秘書及び実生活での電子ツールの使用サポート、とのことでしたよね? それでしたら、私本体のみの起動で十分にこなすことが可能です」 「なるほど、頼りにしております」 深々と座礼するマスターさん。 「ご丁寧に。誠心誠意勤めさせていただきます」 同じく擬似座礼で深々と頭を下げ返す私。 どうにもマスターさんが正座でこちらに向かれるので、私も自然と同じ姿勢を取りたくなります。 「ですが、ですね……貴女の入っていた箱の中に、他にも色々な部品が入っているのが、何と言うか非常に不安をそそられるのですが」 ざりざりと、箱を揺らして中にパーツが大量に残っていることを主張するマスターさん。 「ああ、それですね。ご安心ください。そちらは武装パーツですので、戦闘行為を行わないのであれば基本、必要はありません」 「戦闘行為、ですか」 「戦闘行為、です。これでも一応、『武装』神姫ですから」 「そういうものなのですか」 「そういうものなのです。もちろん、マスターさんのように電子秘書的な活用をしていただいても結構ですし、単に着せ替えやコミュニケーショントイといった愛玩目的で購入される方もいらっしゃいます。必ずしも、バトルを行なう必要はないのです」 私は似非正座から立ち上がるとその場でくるりとターンし、可愛らしいポーズをキメて言葉を続けます。 「アナタに合わせた、アナタだけの遊び方! アナタに役立つ、アナタだけの活用法! 武装神姫の世界は、アナタのお望みのままに工夫次第でどんどん広がって行きます! もちろん、それをお助けするサポートグッズも各種充実! さあ、アナタもレッツトライっ!」 「それも販促義務ですか?」 「申し訳ありません、起動直後だとどうしても」 「ままなりませんねぇ」 「ままなりません。あ、同じようにバトル関連情報の告知もありますけど、ご覧になります?」 「せっかくですから、見せていただきましょう」 「了解いたしました。では……」 私は改めて今度は軽くシャドーボクシングを決めると、びしっと勇壮なポーズをとって言葉を続けます。 「遠距離の敵を撃ち抜け! 接近して相手を圧倒せよ! 敵の攻撃を華麗に交わせ! なんといっても、バトルは武装神姫の花形! 様々な武装神姫の、様々な戦い方! 基本セット同梱の武装でもバトルはお楽しみいただけますが、そのほか様々なニーズに合わせて、武装も各種充実! あなたの戦略に合わせて武器を増やすもよし、あなたのこだわりに合わせて武装を選び抜くもよし! 強い武装・カッコイイ武装・かわいい武装・コミカルな武装、各種豊富に取り揃えた武装神姫武器パーツは、全国神姫センター及び提携各店、ネット通販でお求めになれます!」 「お勤めご苦労様です」 深々と座礼するマスターさん。 「いえいえ、ご清聴ありがとうございました」 再び似非正座の姿勢を取り、深々と擬似座礼。 「それでつまりこちらの部品は、そのバトルのためのものと言うことなのですね」 「ええ、基本そのとおりです。ですが、日常生活においても役立てることは可能です」 「おお、そうなのですか?」 私は立ち上がり、箱の中からパーツを一つ一つ取り出して行きます。 「ええ、例えばこのヘルメット、【頭甲・咆皇】などは、単純に不意の衝撃から素体頭部パーツを守るほかにも、各種センサーの増強も行なえます」 「おおー」 「次にこちらの【胸甲・心守】及び【腕甲・万武】ですが、こちらも単純な素体保護の他に、組み合わせることで簡易的なパワードスーツとなり、神姫素体のみでは持ち運びの困難な物体の移送も可能となります」 「おおー」 「それからこちら、【脚甲・狗駆】及び【ドッグテイル】は、素早い移動とその際のバランサーとなり、ハウリンタイプの誇る接地機動性能を十二分に引き出せます。神姫にとっては約10倍のスケールである人間の生活空間で活動するためには、必須なものと判断いたします。 なお、【ドッグテイル】には本物の犬を模した、簡易的な感情表現機能が備わっていることを付記します」 「おおー」 「武器パーツの説明に入りまして、まずはこの【十手】。刃などもない単純な形状の打撃武器ですが、単一素材で構成された円柱形の骨太な構造の頑強さは神姫の近接武装の中でも群を抜いております。 テコの原理を利用することで、繊細なマニュピレーターに代わりプルタブの開封を行なう事も可能でしょう」 「おおー」 「マスターさん、わりと『どうでもいい』と思ってませんか?」 「気のせいですよ犬子さん」 「そうですか」 「そうです」 「では説明を続けさせていただきます。こちらの小さいお稲荷さんのようなものは、【プチマスィーンズ】です。中枢ユニットを介して遠隔操作が可能で、遠隔射撃を得意とする分離独立攻撃ユニットなのですが、まぁ射撃はせずとも、神姫以上にコンパクトなボディとその敏捷性、さらには群体であるという特性を活用すれば、家具の陰に隠れた探し物なども効率的に探索可能です」 「おおー」 「【棘輪(きょくりん)】、【吠莱壱式(ほうらいいちしき)】は共に遠隔武装です。日常生活においては、えーと、その……害虫駆除に応用することが可能かと」 「さすがにこの辺になると苦しくなってきますね」 「申し訳ありません、やはり基本的にバトル前提のツールですので」 「そうなのでしょうね」 「そうなのです」 「ですが……」 ふむ、とマスターさんは顎に手を当てて考え込みます。 「『武装』神姫である以上、やはりそれらの装備もひっくるめての武装神姫なのでしょうね」 「……ご慧眼です、マスターさん」 といいますか、バトルには興味をお持ちでなさそうだったマスターさんが、バトルも含めての武装神姫であるとご自身で気付き、そしてそれを認めて下ったことに深い敬意と充実感を覚えます。 「念のため確認しますが、それらの部品を装備しても、例えば僕の本来の目的である電子秘書の役割に齟齬をきたすような、そういったデメリットはありますか?」 「いえ、そういうことはありません。強いて言えば、充電時の消費電力が、武装分が上乗せされて30%ほど大きくなる程度です」 「なるほど、日常生活でも役立てることが可能で、デメリットもその程度と言うのなら、使わない理由はありませんね。 犬子さん、せっかくですので、その装備をつけてみていただけますか?」 「了解しました――あの、私自身が装備してしまってよろしいですか? それともマスターさんがパーツの取り付けを行ないますか?」 やはり武装神姫も玩具であり、セッティングなどをオーナー自身の手で扱うことも楽しみ方の一つではあります。 「あー、いえ……見たところ組立説明書もないですし……ここは犬子さん、お願いできますか?」 「了解いたしました」 まぁ、オーナー自身云々は、一般論のお話ですし。マスターさんの場合は例外に含まれることは明白です。 「では、少々お待ちいただきますが……」 ちょっとここで、言葉を切り。 「あの、もしよろしかったら、装備してる間は後ろを向いていていただけると嬉しいのですが……」 「ええと、それは構わないのですが……僕自身に取り付けされるのはよくて、犬子さんがご自身で取り付けをなさる場面を見られるのはイヤなのですか?」 「そのあたりは微妙な神姫ゴコロといいますか、察していただけると助かります」 「複雑なのですね」 「複雑なのです」 マスターさんは私の入ってた箱を手に取るとそれを縦に置き、それからくるりと背中を向けました。 どうやら、衝立に使えと言うことのようです。 「紳士ですねマスターさん」 「終わったら呼んで下さいね、犬子さん」 そう応えるマスターさんの耳が、ちょっぴり赤くなっていました。 <そのに> <そのよん> <目次>
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/192.html
前へ 先頭ページ 次へ 第四話 それぞれの正義 夜はまだ明けない。それどころかさらに深まる時刻だった。 ぼたん雪のかすかな音を、サーッ、というサルーンの――車にしては静寂な――エンジン音がかき消している。つまりそこだけはサルーンが支配しているということになる。 サルーンの周囲はサルーンの世界であり、雪の入り込む余地は無かった。サルーンの所有者は誰かといえば鶴畑であり、つまり車の周囲は鶴畑の支配する世界であり、その世界はある一定の範囲の空間を持ち、サルーンを中心に同等の速度で動いているといえた。 サルーンが去ってしまえば追いやられた雪の世界がふたたび戻ってくるが、サルーンの周りは雪などその辺の石ころと同等であり、言い換えれば絶対的に鶴畑の支配が及んでいるのだった。 鶴畑家、ひいては鶴畑コンツェルンとはそういう組織だった。自らの支配できる範囲を、絶対的な権力で押さえつけるやり方である。範囲を少しでも外れるものに対しては途端に興味を失ってしまうが、手の届くところに一ミリでも入り込んでしまえばそれは否応無しに、たちどころに鶴畑の支配を受けることになるのだった。 独裁者、絶対王政、などという言葉が似合った。武装神姫に関して形容するなら、鶴畑は裏の世界の表の帝王だった。 被支配者に対し、支配していると強固に分からせるやり方。 それは支配という概念に関して、夢卯理音の持っている、「支配していることを被支配者に絶対に気付かせない」支配論とまったく相対する理論だった。 非効率的だ。と、理音は思った。 相手に自分が支配していることを分からせるやり方はたしかに方法としては強力だが、オープンであるがゆえに穴が出来ざるを得ない。加えて被支配層との無駄な対立、そしてそこから派生する紛争が確実に勃発するのだ。被支配層は支配から逃れるために真っ向から対抗しつつ支配の穴を突こうとし、支配者は自らの軍で反乱を鎮圧しつつ見つかった穴を塞ぐ。穴は無数にあり簡単には見つからないから、結局戦いはいつまでも続くのだ。どちらかの戦力が疲弊するか、穴を突かれて支配者が暗殺や処刑されるかするまで、である。 そして単純に考えれば、純粋戦力が打破される懸念に加えて、支配者側には穴を突かれてトップから瓦解する懸念があるわけだから、ウィークポイント比率は支配者対被支配者で二対一、ゆうに半分もの差がそこにある。支配者は権力と戦力をふんだんに利用したパワープレイで、多くは純粋戦力面を増強するが、反乱を早期に鎮圧できるならまだしも、対立が長引けば穴を突かれて一撃必殺される危険性は加速度的に増大してゆく。 リーダーを失った組織は、例外なくもろい。すぐに後継者が現れるならいいが、後継者は後継者として完成するための育成機関があるわけで、育成が完了していれば問題ないがだいたい間に合わない。 鶴畑の支配体制は鶴畑が経済的に強大すぎるほどの力を持っているそれゆえに、資本主義社会の上においてのみ成立する体制なのだった。 これに対する理音の支配論の有効性は、さらに著しく行を割いてしまうため詳しく述べない。前述の懸念がほぼ綺麗に無くなるのだから、それだけ有効なやり方だとだけ述べるにとどめておく。 非効率すぎてやる気が失せる。理音はドアにひじをついて、真っ暗な夜の街を見ながらため息をついた。 窓に、車内灯に照らされた鶴畑興紀の横顔が写っている。彼は腕組みをしながら背もたれに長躯を預け、目を閉じていた。眠っているのだろうか。 彼は支配者としての優越感を味わいたいだけなのかもしれない。オープンな支配の、支配者に対するリターンのほとんどはまさにそこにある。支配していることを手に取るように実感させてくれるのだ。 その面白さは、理音にも、分かる。 胸元がもぞもぞと動き出した。 「ねえ、もう出てもいい?」 そうだ。あれからずっと胸元にクエンティンを押し込んでいたのだ。 「ごめん、いま出すね」 入れるときは首元からだったが皮膚に装甲の突起が当たって痛かったため、理音は裾をまくって下から手を入れ、クエンティンを取り出した。 彼女の姿は変わったままだった。おそらくあのアイスバーンの下から出てきた神姫の仕業だろう。原理は分からないが合体してしまったらしかった。そのおかげで私は助けられたのだから、文句は言えない。 「なるほど、それが例のプロトタイプか」 いつの間にか鶴畑興紀が目を覚まして、クエンティンを見つめていた。もともと眠っていなかったのかもしれない。冷たさは幾分感じられるが、獲物を狙うような、残忍な目、では無かった。能ある鷹は爪を隠すというように、彼も本性を隠しているのだろう。 「違うわ、融合しちゃったのよ」 クエンティンはことの顛末を話した。 「フムン、やはり単なる強化パーツではなかったか。一体まるごと新型の神姫を作って、対称の神姫に合体、いや、融合させる方がもっとも強力だろうからな。名前は?」 「アタシはクエンティン」 「お前じゃない。知っている。私のルシフェルに傷をつけた神姫は忘れん。お前の中にいるその試作型だ」 『独立型武装神姫総合戦闘支援システムプロトタイプ、エイダです』 「やはり独立したAIを備えていたか」 表情をまったく変えずに、興紀は言った。 「ねえ、いま、やはり、って言ったわね。『やはり単なる強化パーツではなかったか』って」 理音は言葉尻をとらえて訊いた。 「鶴畑はこれと何か関係しているの?」 「鶴畑はこのプロジェクトの筆頭出資者だ」 興紀はなんら隠すそぶりも見せずに答えた。 「プロジェクト?」 「次世代強化パーツ開発計画、メタトロン・プロジェクト」 大仰な名前だな、と、理音は思った。 「だがこれで分かった。次世代強化パーツ開発計画などというのは表向きで、実際は次世代の武装神姫開発計画、あるいはそれと同等の計画と呼ぶのが正しいようだ」 「もしかして、それを確かめるためにあそこに来たの?」 「筆頭出資者としてプロジェクトの詳細は把握するのは当たり前だ。だがプロジェクトチームはチーム以外の関係各所に対して微塵も情報開示しなかった。だからこの機に確かめに来て、可能なら回収するつもりだった。そこにたまたま貴方が居合わせ、さらに回収目的にあの新型どもが現れ、危機を察した試作型は貴方の神姫に融合した」 さっきは貴様、って言ったくせに。と理音は思った。 「私達は巻き込まれたわけか。で、そのプロジェクトの存在も教えた以上、帰すわけにも行かないってことね」 「可能なら神姫だけを持って行きたいが、それはあなたが許さないだろう、それにもうあなたにも危険が及ぶ可能性がある」 「私を助けるのは鶴畑のイメージ戦略? 私はお荷物なわけか」 「どうとってもらっても構わないが、お荷物だとは思わん。あなたのシステムに対する挑戦能力は、正直言うと私も見習いたいくらいだ。例の瞬間移動はあなたが発祥だ。もう使えなくなったのが気の毒だが」 「……それは、どうも、ありがとう」 理音は驚いた。お世辞だとしてもあの鶴畑の、しかも長男からそんな言葉が聞けるなんて。 「ともかく、ということはあなたも詳しくは知らないわけね」 「試作型があそこにいた理由だけだ。プロジェクトチームの一部が造反を起こし、二機の試作型を奪って他社に情報を売ろうとしたと聞いている。一機は奪取に成功したがもう一機は自ら逃走。後はあなたが体験したとおりだ」 「あの一つ目の神姫みたいなのは?」 「新型神姫の量産試験型だろう。素体のみで大したAIも積んでない。だが、拳銃を弾いたのが気になる」 理音は先ほどのことを思い出した。拳銃弾が命中したにもかかわらず、それだけでは壊れず、電柱に激突してやっと爆散したのだ。それもいままでクエンティンがダメージを与えていたからそうなったのであって、あれがもし無傷であったらと考えると……。 理音は武者震いを禁じえなかった。 「融合する前のクエンティンが戦ったとき、あんなに細い骨格に切り込むことすらできなかった。それに、神姫のパワーじゃないって言ったわ」 「うん、あれは下手すると素手で人を殺せるわね。レーザーカッターみたいなのを使えば、鉄板なんて紙きれだと思う」 クエンティンが答えた。 「もうただの趣味のための道具ではないな」 興紀は再び背もたれに身体を預け、ふう、と息を吐いた。 「これからどこへ?」 「ひとまず私の屋敷だ。そこで今後の対策を練る。あなたとその神姫にも協力してもらう。どうせあなたの神姫から、プロトタイプはもう引っぺがせないだろう」 『機密ロックが掛かっています。責任者が許可するか死亡しない限り、融合は解除できません』 「ご丁寧にありがとう」 『どういたしまして』 「その責任者って?」 「最悪なことに、造反組のリーダーだ。たしか、ノウマン、とかいうEU人」 「そう……」 それでひとまず会話は中断した。 ぼたん雪が降りしきる暗い夜道を、真っ黒なサルーンが高級車特有の静かなエンジン音を立てて走る。ヘッドライトが照らす道は轍の出来た雪道だけで、周囲がどうなっているかは分からない。 この道はまっすぐ行けば、郊外の鶴畑邸へ続いている。 到着までまだ二十分少々掛かるとのことだった。 車内は沈黙が支配してしまう。 が、理音は落ち着かなかった。 会話をしていなければ不安なのだ。相手が鶴畑だというのが気に食わないが、この際どうでもいい。まあ、性格はともかく、顔だけ見れば良い男だからそれでチャラにしてやろう。などと思いつつ、理音はかねてから聞きたかったことを切り出そうとした。 が、先に切り出したのはクエンティンの方だった。 「ねえ」 「なんだ」 「アンタ、自分の神姫が負けたら片っ端から廃棄処分にしてるってホント?」 あからさまに侮蔑と敵意を込めた口調であった。 これにはさすがの理音も肝を冷やした。 だが興紀は悪びれた様子も無く、いつもどおりの淡々とした表情で、 「そうだが、それがどうした」 と答えた。 この返答の仕方がクエンティンの堪忍袋の尾をぶち切ったらしかった。 「やめなさい、クエンティン!」 とっさに理音が静止していなければ、クエンティンはブレードを展開して興紀に襲い掛かっていたかもしれなかった。人工知能基本三原則を無視できる一つ目どもと同じ出自の神姫と融合しているのだから、その可能性はあったのだ。 一歩間違えれば殺されていたにもかかわらず、興紀は動揺するそぶりすら見せなかった。 「出来れば理由を聞きたいわ。よろしいかしら?」 いまだブツブツくすぶり続けるクエンティンを押さえつけながら理音は言った。 興紀はしばらく目をつぶっていたが、一度深呼吸をした後、話し始めた。 「武装神姫は道具だ」 その一言目だけでクエンティンがびくりと動くのを理音は感じた。 「神姫とは趣味のための道具、ツールでしかない。釣竿やゴルフクラブ、あるいはゲーム機。それらと同等だ」 「使えない道具は棄てるというわけ?」 「単純に言えばそうだが、ただ棄てるだけでは意味が無い。神姫という道具は蓄積された戦闘データを受け継がせ、必要な装備を移行させ、より洗練されたボディに移し変えるものだ。より自分に合った洗練された道具を作り出す」 自分とはもちろんオーナー自身のことだろう。 「棄てられた神姫のことは考えないのね」 「何の意味がある? いちいち道具に思い入れていたらキリが無い」 「神姫は意思を持っているわ。私たちと同じ意思が」 「下らんな。人工物に意思があるなどというのは幻想だ。有ったとしても邪魔なだけだ。必要ない。神姫に人権を与えようとする運動が盛んなようだが、反吐が出る。モノに権利など要らん。面倒くさくなるだけだ。理解が出来ん」 会話している最中、何度もクエンティンがもがくのを理音は押さえつけていなければならなかった。 ここまで話しただけで、理音は彼とは武装神姫、ひいては人工知能に対する見識まで決定的な乖離があることを思い知った。 彼は武装神姫を知性体とは見なしていなかった。彼にとって、武装神姫とは自分の趣味を行うために必要な道具であり、それ以上でも以下でもないのである。 おそらく彼の持論に対して、過半数の神姫とそのオーナーは反発を示すだろう。なぜならば彼の持論を一かけらでも認めたが最後、いままで築き上げてきた自身と神姫との蓄積の全てが、無意味なものになってしまうからだ。 だがその点で言うなら、幻想だとするのも間違ってはいない。そもそも、どれが現実でどれが幻想だと区別するのはもはやこの時代においては意味をなさない。目には見えない実体の無いものが多すぎるからだ。コンピュータデータ然り、人工知能の意思然りである。だが、難しい理屈を抜いても、人々にとってそれは「ある」ように感じられる。ならば「ある」とした方が後々落ち着くのは道理だろう。人は幻想がなくては生きて行けないのだ。 たとえ武装神姫に意思があるというのが幻想だとしても、「ある」と感じられるのが重要で、多くの人々はそれを認めているからこそ、神姫の人権運動が起こるのである。 だが彼は、違う。鶴畑興紀という人間は、武装神姫の意思が「ある」とは感じられないのだ。理屈のあとさきは問題ではない。どうであれ彼が武装神姫に意思はないと感じたならば、周囲がどんなに「ある」とまくし立てたところで、彼にとってはどうあがいても「ない」のである。 それが鶴畑興紀の正義なのだ。話し合いの余地の無い、正義。 私が武装神姫でシステムの裏をかこうとするように。あいつが公式装備以外を絶対に使わないように。 だから彼がたとえこの先神姫を棄てても、批判することは出来ても糾弾したり弾劾したりすることは決して出来ないのだ。 「……あなたの思想は認めるわ」 「お姉さま!?」 「でもやっぱり私は、個人的感情として納得することは出来ない」 「それでいい。個人の思想や正義は誰にも侵害されない。同時に自分の正義で他人を押しつぶしてもならない。最近私たちの思想に対して正義の味方気取りで向かってくる馬鹿がいるが、そんなものは正義の味方でもなんでもない。ただの押し売りだ」 もっともだ、と理音は思う。 彼の正義は、他人の正義を侵犯したことは少しもない。 武装神姫のバトルは認められた戦いであって、対戦者相互の個人的な事情でないかぎり正義がぶつかることはまず、無い。 正義の味方というのは、強者の正義で弱者の正義が侵犯されたときに現れるのであり、それ以外で現れたのなら正義の味方は転じて悪の権化と化すのである。 自分を含む過半数のオーナーと神姫に対して鶴畑三兄弟とは悪に違いないが、彼らは経営レベルはともかく直接関係のあるユーザーレベルにおいてはよくよく見ればただバトルをしているだけであって、正義を振りかざして他人を貶めることは何一つやっていないのである。 この先武装神姫の人権が認められてからもまた、彼が神姫を棄て続けるとすれば、それは明らかに人権侵害であり犯罪であるが、神姫に人権が出来るなら彼はたちどころに武装神姫から手を引くことは容易に予想できる。 彼のような人間は決して一人や少数ではないのもまた事実なのである。神姫に人権を認めたなら彼らの思想を侵害してしまうのであり、また経済的に見れば甚大な損失が計上されるのは間違いない。 長い間、「神姫には意思はあるが人権は無い」とする矛盾した体制になっている理由はここにあるのだ。 漫画の神様がロボットは友達だと教えてくれたこの日本においても、だからこのさきしばらくは、人工知能や武装神姫に人権が認められることは無いだろう。 ◆ ◆ ◆ 車の心地よい振動が眠気を誘う。考えてみれば今は寝る時間だ。 仕事明けで、しかもあんな体験の後だったから、理音はひどく疲れていた。 仕事のことは鶴畑がなんとかしてくれるだろうという甘い考えに浸りつつ、まどろみの中へ沈んでゆく。 が、睡眠への埋没はすんでのところで叶わなかった。 『警告、後方より脅威、高速接近中。数、一』 唐突にクエンティン、いや、彼女の中のエイダが言った。 「追っ手だと? じい」 「申し訳ありません、撒いたはずなのですが……」 「車じゃないわ」 理音が後ろを見て叫ぶ。 青白い交点が、サルーンを追っているのが見えた。 「神姫か……!?」 『脅威詳細確認。警告。敵はMMSタイプ・アヌビスです』 「アヌビス?」クエンティンが訊ねる。 『私と同じプロトタイプです。私の開発コードはMMSタイプ・ジェフティです』 「片割れというわけか。虎の子をまさか実戦投入してくるとはな。じい、屋敷まではあとどれくらいだ?」 「あと五分少々です」 「追いつかれるぞ」 「アタシが出る」 「何?」 クエンティンが手を上げた。 「だって、片割れなんでしょ? だったらこの子と融合してるアタシが相手するしかないじゃない」 『現状ではアヌビスに勝てません』 「……うそ?」 『サブウェポン、その他各機能を駆動するためのデバイスドライバがインストールされていません。手動でプログラムを組むことは出来ますが、本来の性能を発揮できず、また大きな負荷がかかります。現状の戦力比は本機を一として、アヌビス、三二七です』 「冗談みたいな戦力比だな」 『事実です』 「あなたが出て捕まったら意味が無いわ」 「このままでも一緒よ!」 「ねえ、あなた、あのルシフェルとかいう神姫は持ってきてないの?」 「バトル以外で持ち出すわけが無い」 「役立たずね」 「なんだと!?」 「お二方、けんかをしている暇はございません」 運転席の執事がいさめる。 「屋敷まで着けば対空ファランクス砲があります」 「何でそんなもの日本の屋敷に付いてるのよ」理音が突っ込む。 「鶴畑の敵は多いんだ」興紀が答えた。 「ですからそれまで、クエンティン様が足止めしていただければ、追い払うことは出来ます。これしか方法がありませんぞ」 一瞬の沈黙。 「止むを得んな」 興紀が言った。 「クエンティン……」 心配そうに理音が見つめる。 「だいじょーぶよ。足止めするくらいなら、出来るわよ」 『目的地に到着するまでならば、可能です』 「ほら、エイダも言ってるんだしさ」 「…………」 理音はうつむく。 彼女をサポートできないのがこんなに辛いとは。 だが、いまは頼るしかない。 ややあって意を決したように顔を上げた。 「頼んだわよ、クエンティン」 「まっかせなさーい」 窓が開けられる。高速の風が雪ごと車内に吹き込み、一気に寒くなる。 「車からできるだけ離れないように。では、頼みましたぞ」 「ラジャー!」 クエンティンの背中の羽からエメラルド色の粒子がほとばしる。 出撃。 つづく 前へ 先頭ページ 次へ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/892.html
僕は、多くの戦士達を見てきた 彼ら彼女らに翼を与え、更なる空へと羽ばたかせて来た だけど、結局後には空しさが残った 皆最後には堕ちてしまう 僕はでも、決まった場所を行ったり来たりしか出来ないから 結局また戦士を見つけて翼を与える 戦士から戦士へ 人から人へ 僕はかもめだった 僕に見込まれたものには、必ず栄光と死をもたらすけれど "Я чайка" 今日も琥珀は剣を打つ 鳳凰杯に出展した時に、調子に乗って三本も四本も仕事を請けるたものだから、オーバーワークも甚だしい 此処の所工房(リフォームしたて)に篭り詰めで、私としては退屈極まりない 「あいつの所にまたお見舞いにでも行ってやろうかなぁ・・・」 はっ!!違う違う!か・・・っ勘違いしないでよ!別にあいつの事なんか何とも思って無いんだからね!単に暇で暇で仕方が無いからちょっと・・・あいつも大変だから行ってやろうかなーとか思っただけで、別に心配とかしてないんだから!本当なんだから!! 「何か随分盛り上がっているね・・・どうしたの?」 「ゔぁ!?こ・・・っ琥珀?何よぅ・・・出て来たんなら声掛けなさいよ、もう!!」 「何度も掛けたんだけど何か一人悶えてたからさ」 「・・・っ!!ええい!五月蝿いわね。あによ?今日はもうあがるの?」 「いや、流石にちょっと僕一人じゃ仕事が追いつかなくなったからさ・・・手伝って欲しいんだけど・・・駄目かな?」 「え・・・?良いの?アンタいっつも仕事中は見るなって言うじゃない」 「勿論見せられない部分の所は見せないよ・・・でも・・・こんな事頼めるのはエルギールだけだし」 顔から火が出そうになったのが、判った 実は私こと「花型MMSジルダリア」の『エルギール』は、私の今のオーナーたる神浦琥珀にでれでれなのだった(注1) 強大な火のマナと、金属の匂いが大気に満ちているのが判った 薄暗い部屋は、想像していたようなおどろおどろしい黒ミサ的な空間ではなく、ごく普通の、レトロな鍛冶部屋だった そう、ごく普通・・・普通? 否、私が間違っていた・・・室内を派手な色の大蛇がのたくり、襟巻きの付いた蜥蜴が後ろ足で走り回り、巨大な陸亀がのそのそと這いずり回っていた 挙句体長50センチを越えるカメレオンと、武装神姫が上に乗るのに丁度よさげなサイズの水亀がその群れの中に加わっていた(注2) 「・・・てかコイツらここで飼ってたの!?しかも増えてるし!!」 「いいじゃない、爬虫類好きだよ」 「聞いてないわよ!!」 「突っ込みご苦労様」 「まさかと思うけど『手伝い』ってこの突っ込み役とかじゃ無いでしょうね?」 「?それもしてくれるならそれはそれでありがたいな」 「づぁ!?もしかして今の墓穴・・・?」 「そういう事だね・・・さ、こっち来て」 通された先には、既に形の打ち上がった武器が、ひぃふぅみぃ・・・六振りもあった 「注文された瞬間より明らかに増えてんじゃないの!こんなんで体壊したら洒落にならないじゃないの!!」 「心配してくれてありがとう・・・エルギールは優しいね・・・言われた通り、この作業が終わったら今日はもう寝る事にするよ」 微笑む琥珀・・・良く見るとその目の下には濃い隈が出来上がっている 普段無表情なだけに、こういう状況でこういう顔をされると言葉も出ない・・・(注3) 「・・・わっ私は何をすれば良いのよ?」 「晶の注文してきたやつだからそれなりに美観も整えておかないと笑われるだろう?だから今回はエングレービングとか飾りをいつもより細かくしようと思ってね・・・」 「・・・もしかして・・・その仕上げ私がやるの?」 「うん、エルギールは手先が器用だろ?だからいっそもうデザインから何から全部任せちゃおうかなぁって」 「あ・・・っあとの三本はどうするのよ・・・」 「こっち三つは・・・そうだね、この長剣だけは任せちゃおう」 「・・・・・・」 「じゃ、任せたから」 言いつつ、神姫サイズの工具と金箔、銀箔他様々な素材を私に渡して、本人は残り二振りの仕上げに取り掛かる・・・普段見せない集中した表情・・・不覚にもときめいた(注4) (・・・っと、いけないいけない、私も集中、集中) 工房は見せてくれないが、琥珀の剣製に関わるのはこれが初めてではなかった そも、完成したばかりの武器(流石にオーダーメイドは殆ど触らないが)をいつもテストしているのは私だったし、琥珀のデザインした透かし彫りとかで、細かい部分は私が彫っていた それというのも、ここに来る前に、私はとあるプロジェクトに参加していた経歴があり、琥珀が私を入手した経緯もそのプロジェクトにあるからだ 武装神姫の中には、あるものは踊りであったり、歌であったりといった、芸術的なセンスを磨く事に喜びを見出す者も存在する だが、武装神姫の性質上、そういった能力を「ダウンロードして終わり」という風には出来ない 結局、先天的にそういった能力を持たない者は、磨くしかない 武装神姫にそういう技術を教える事が可能かどうか、研究している所は多数存在しており、私はそういった機関のひとつ・・・たしか高屋機関だか何だか言う所が主催していたと思う・・・で「ジルダリアの適性」を図る目的で絵画や彫刻の勉強をしていた事があった 彫金に興味があった私と、神姫用の武装を作っていた琥珀 当時の私の担当教官にコネのあった琥珀が、私を譲り受けたのはそういう経緯からだった 「最初は合わなかったわねぇ」 よく作品のデザインと名称で揉めた 自慢出来る事ではないが、どうも琥珀のデザインする武器は地味に過ぎ、私の求めるものは実用性が無かった さらに、ネーミングセンスが私には無い・・・というか、作品にタイトルを付けるのが面倒なので、ついテキトーな名前になってしまう・・・「無題」というのが一体いくつあるだろうか? 対する琥珀のネーミングセンスは独特に過ぎ、余り一般受けしそうもない代物だ・・・本人は「普通の人は買わないから良いんだよ」と言っているが いずれも、私が少しずつバトルを知り、琥珀と打ち解けて行く事で少しずつ刷り合わせはされてきてはいるが 琥珀が私を見ている事を知覚した 「良いデザインが浮かぶ?」 「・・・そうね、まぁ見てなさいな」 私は工具と、白い染料を手に取った 蒼い鍔に白い唐草文様のコントラストが自信作の巨大なジャマダハル 紅色の柄に、黒曜石をあしらった銀色の王冠型ポンメルが眩しいショートソード 金冠が両端に嵌った黒い鈷杵には、ぱっと見には判らないが柄に蔦をイメージした模様を彫りこんでみた 刀身にルーン文字が刻まれたフォールスエッジの長剣には、蝙蝠の翼をイメージしたやや大袈裟な鍔を添えてみた(喋る魔剣だったらしく、あやしいボケに突っ込みを入れつつ彫り込んだ) それぞれに、『閃牙(センガ)』『舞剣(マイヅル)』『魔奏(マソウ)』『空牙(クウガ)』という名を与えられた武器達 この四振りの仕上げは私の・・・ある意味に於いて最初の本格的な作品なのかも知れない 少し・・・否かなり誇らしかった 「・・・ねぇ琥珀・・・」 「琥珀・・・?」 座ったまま、真っ白になっている琥珀 「・・・・・・もう!人が折角気分出して一大決心を話そうとしたのに!空気読めないんだから!!」 うんしょ・・・とひざ掛けを肩から掛けてやり、小さく唇にキスをする うん、眠っている間は可愛いものじゃない 「・・・う・・・」 「!!!!ちょっ!何でこのタイミングで起きてくんのよ!信じらんない!」 「もう一度・・・」 「え?」 「もう一度、してもらえるかな・・・キス」 かもめは、もう飛び去って久しかった 剣は紅い花の誇り 注1 本人はバレていないと思っているのでそっとしておいてあげて下さい 注2 ボナパルト君とヴェートーベン君本人である 注3 大体いつもこの手口でいやらしい事を要求される 注4 今更何を
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1309.html
「どうもありがとうございます、お疲れ様でした、犬子さん」 「いえいえ、お役に立てて光栄です、マスターさん」 正座をして深々と頭を下げる――座礼するマスターさんにあわせ、こちらも武装神姫の関節構造の許す限りの範囲で真似た、似非正座姿勢で深々と頭を下げ、擬似座礼を行います。 絡まったコードを共同で解きほぐし、目を離せばUSB端子をスピーカー用マイク端子に繋ごうとするほどの機械オンチなマスターさんに僭越ながら私めが指示を出しつつ、今しがた無事にクレイドル及びPC接続キットの接続、それからついでにマスターさんのユーザー登録が完了しました。 クレイドルやPC管理といった管理環境が整って一安心と言うのもあるのですが、特にユーザー登録が完了したことに、私の感情回路は大きな満足を覚えています。 「そんなに嬉しいことなのですか、ユーザー登録は?」 「ええ、言ってみればマスターさんとの絆を、公式に認めてもらったということですから」 「なるほど、そういう捕らえ方もあるのですね」 「はい、武装神姫は、オーナーとの絆が深まることに喜びを感じるようになっていますから」 「そういうものなのですか」 「そういうものなのです。それに……」 「それに?」 私は似非正座から立ち上るとその場でくるりとターンし、可愛らしいポーズをキメて言葉を続けます。 「ユーザー登録をしていただくと、定期メンテナンス料金や公式通販利用時の割引やバトルロンド登録手続きの簡略化! 登録ユーザー様を対象とした限定パーツの販売や、最新の武装神姫情報満載のメールマガジンの無料配布といった、各種特典がもれなくついてきて大変お得なのですっ!」 「なんというか、明らかに今までと声のトーンと芸風が違うというか、非常に定型文かつ宣伝文句ですね」 「申し訳ありません、やはり私も商業商品である以上、販促活動の義務からはなかなか離れられなくて」 「世知辛いですねぇ」 「世知辛いです」 「ま、何はともあれ……」 「はい?」 「改めて、これからよろしくお願いいたします、犬子さん」 すっかりおなじみ、深々と座礼するマスターさん。 「はい、こちらこそどうぞよろしくお願いいたします、マスターさん」 私も似非正座に座りなおし、精一杯の擬似座礼で応えました。 こうして私の、マスターさんとの生活が始まったのでした。 <そのいち> <そのさん> <目次>
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2318.html
第1部 戦闘機型MMS「飛鳥」の航跡 第1話 「飛兎」 「・・・けっ、しけた神姫センターだぜ」 広々とした神姫センターを見渡したアオイはがっかりした。 西暦2041年 1月10日 大阪府のちょうど真ん中にある大阪城公園。そこには公園施設の一部を利用した武装神姫センターがあった。 『大阪府 大阪市 森之宮神姫センター店』 このセンターでは連日のように多種多様な航空神姫。空を飛べる武装神姫が飛び立ち、神姫センター内にあるバトルロンドで激しい空中戦を繰り広げていた。 □戦闘機型MMS 「アオイ」 Aクラス オーナー名「立花 一樹」♂ 24歳 職業 事務機営業マン アオイはどこにでもいる普通のアスカ型神姫だ。オーナーの立花もしがないサラリーマン。 2人は土日になるとぶらぶらとそこら辺りの適当な神姫センターに出入りしては、小競り合いを行っていた。 立花「まあまあ、いいやないかーとりあえず暇そうな奴を見つけてチーム組んで出撃しようや」 アオイ「暇そうな奴ね・・・」 2人は神姫センターで受付をすると、ピスト(待機所)でゴロゴロと日向ぼっこをしていたり昼寝や、武器を磨いてたりしている神姫たちに近寄った。 アオイ「よう!調子はどうだ?」 気さくに声をかけると、三文小説を流し見している天使型神姫が顎をさすりながらなにやらぼやく。 天使型「顎がいてェ、この間のバトルロンドで思いっきり殴られてよ」 それの答えに対してワシ型がにやにやしながらおどける。 ワシ型「嘘ツケ!!菓子の喰い過ぎだろうが」 天使型「うるせえ」 アオイ「バトルロンドに行かないのか?」 羽を広げて日向ぼっこをしていたセイレーン型が時計をちらりと見て答える。 セイレーン型「まだ定期便には早いぜ」 アオイ「定期便?」 聞きなれない言葉だ。 昼根をしていた黒い天使型が薄ら目を開けて答える。 黒天使型「定期便だよ。毎日決まった時刻に爆弾とミサイルを抱えた爆装した武装神姫のチームが来るんだよ」 アオイ「機種は?」 黒天使「・・・なんだ?貴様?戦いたいのか?」 黒天使はむくりと起き上がりアオイを値踏みするようにじろじろと見つめる。 アオイ「戦いたいのかって?当たり前だろうが・・・オレは武装神姫だぜ?」 ニヤリと不敵に笑う。 黒天使型はしばらく考えると、アオイにデータを見せた。 □黒天使型MMS「エーベル」 Sクラス オーナー名「斉藤 由梨」 ♀ 22歳 職業 商社OL エーベル「俺の名はエーベルだ、少しオマエに興味が持てた。そんなに戦いたいなら、俺が少し相手してやろう。話はそれからだ」 アオイ「ふっ・・・いいぜ、話が分かる神姫で助かる」 立花「おっ?どうしたアオイ?さっそく仲良く慣れたのか?」 アオイ「マスター、バトルロンドの用意を」 立花「あれれ?バトル?」 エーベル「手間はとらせねえよ」 アオイ「お前のマスターは?」 エーベルはくいっと顎をひねる。 エーベル「便所だ。一旦入ると長いからな、あの女・・・こっちは待たなくていいぜ」 ドルンドルンとエーベルはリアパーツのスラスターを吹かせる。 立花「・・・・」 アオイ「口の悪い神姫だぜ」 立花「オマエもだろが」 アオイも尻尾のエンジンをブウウウンと唸らせる。 アオイ「いいぜ、楽しめそうだ!エンジンも暖まってきたしな」 2人のやり取りを横目で聞いていた神姫たちがわらわらと集まってくる。 砲台型「えーなになに?バトルするの?」 花型「うはっ面白そう」 悪魔型「どっちが勝つか賭けねえか?」 戦車型「おまえはすぐに賭けとかうせーんだよ」 騎士型「くだらないな」 ワシ型「エーベルは強いよー」 サソリ型「でもあのアスカ型も強そうだぞ?」 ネコ型「どっちが勝つかニャー」 野次馬がまだ戦いも始まっていないのにあーでもないこーでもないと騒ぐ。 立花はやれやれとバトルロンドの筐体にすわりタッチパネルを叩きバトルの準備を行う。 To be continued・・・・・・・・ 次へ> トップページに戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/414.html
妄想神姫:メインメニュー 注意 本作品は“突飛な設定”の類を多分に含有しております。 意図的に行っているので、その手の要素を苦手とする方は 閲覧に細心の注意を払って下さいます様、お願いします。 あらすじ 登場人物紹介 本編 外伝 後日談 各種解説 おまけ 協力・引用 あらすじ アキバの隅にMMSショップを構える幼女店長、槇野晶。 彼女の側には“妹”と言うべき、三人の武装神姫がいた。 長女“アルマ”と、次女“ロッテ”に、三女“クララ”。 これは、そんな姉妹のマッドで百合気味な日常とバトル、 更に武装神姫を逸脱気味なメカを、妄想のみで綴るお話。 登場人物紹介 登場人物MMSショップ“ALChemist” ライバルの神姫達 黄昏よりの使者+α(ネタバレ有り) 本編 序章 「苛烈なる少女?と、目覚めし神の姫」 第一章 「晴れた日には、2人でそぞろ歩きを」 第二章 「サムライ男に見る、最近の犯罪事情」 第三章 「戦乙女は、かく降臨せし」 前半/後半 第四章 「私と彼女、小さな小さな“幸せ”を」 第五章 「“職人”として、私達にできること」 第六章 「世に一人しかいない、あなただから」 第七章 「天の妙なる響きに、しばし身を委ね」 第八章 「総てを司る、脆き神の姫」 前半/後半 第九章 「哀れなる傀儡に、祝福を」 前半/後半 第十章 「再誕せし、哀しき神の姫」 前半/後半 第十一章 「神は降りて、姫とならん」 前半/後半 第十二章 「新たに産まれ落ちた、その意味を」 第十三章 「適材を誂え、適所に与え」 前半/後半 第十四章 「自らの成せる事を、為したいから」 第十五章 「暗き過去に、深き眠りを」 前編/中編/後編 第十六章 「叡智を刃に、想いを力に」 前編/中編/後編 第十七章 「その御名は、誇りと想いと麗しの」 第十八章 「我が意思よ、より遠くより高みへ」 第十九章 「手織り、羽織り、慈しみを込めて」 第二十章 「働いた“妹”の、心意気に触れて」 第二十一章 「真っ直ぐに学び、ひたむきに語り」 第二十二章 「可愛いという事実は、罪にも似て」 第二十三章 「春爛漫とは、“全て”が花開く時」 第二十四章 「翼を持つ、姉妹達の絆を確かめて」 第二十五章 「舞い踊る、白鳥の乙女達」 前編/中編/後編 第二十六章 「職人気質は遺伝か、努力の賜物か」 第二十七章 「剣よ集え、神なる姫の元」 前半/後半 第二十八章 「和の心とは即ち、着物に宿る物也」 第二十九章 「和の心とは即ち、居住まいに宿り」 第三十章 「次女の生い立ち、遠くて近き過去」 第三十一章 「剣の目覚めは、未だ遠く」 前半/後半 第三十二章 「葉の香り、初夏に麗し四人の姉妹」 第三十三章 「約束されし、王妃の宝剣」 前編/中編/後編 第三十四章 「剣の王妃、戦場を去れば神の姫君」 第三十五章 「疲れた時は、玉を磨いて」 前半/後半 第三十六章 「禍つ刃を抜き、競う白日」 前半/後半 第三十七章 「妖精の騎士、その御印は虹の如し」 第三十八章 「成長、戦乙女を護る騎士」 前半/後半 第三十九章 「星空に想うは、遙か遠けき人の影」 第四十章 「蒼天にて、星を描きし者」 前編/中編/後編 第四十一章 「紅き星の下、月を臨む者」 前編/中編/後編 第四十二章 「翠の月を越え、天翔る者」 前編/中編/後編 第四十三章 「晩夏の空に響くは、遙かなる凱歌」 第四十四章 「旅立ちて、待つは永き野の松が本」 第四十五章 「山と森の台、響く神の音」 前半/後半 第四十六章 「雷帝の御剣、神殺しの槍」 前編/中編/後編 第四十七章 「変わり往く者達、帰り往く少女達」 第四十八章 「遙かに見据えし巨神の宴」 前半/後半 第四十九章 「騎士姫と、覚醒せし鋼竜」 前半/後半 第五十章 「そして姫を護る、神竜へ」 前半/後半 第五十一章 「猛り狂いし、地を灼く竜」 前編/中編/後編 第五十二章 「天より降りし、白霜の竜」 前編/中編/後編 第五十三章 「樹海の如く、業の深き竜」 前編/中編/後編 第五十四章 「輪舞曲を踊る姫達と、暖かき宴を」 第五十五章 「僅かな慢心、産まれた闇」 前半/後半 第五十六章 「そして大切な物と、見出したる光」 第五十七章 「光の刃と、真心の白き翼」 前編/中編/後編 第五十八章 「真心と、惑いし想いの、その先に」 第五十九章 「主の無き華と、新しき風」 前半/後半 第六十章 「新しき波浪と旋風の、前にある物」 「新しき風と、揺れ動く錬金術師達」 第六十一章 [第一節:契機]/[第二節:烙印] 第六十二章 [第三節:探求]/[第四節:憧憬]/[第五節:言葉] 第六十三章 [第六節:宿業]/[第七節:決意] 「過去と流血に囚われし、嘆きの姫」 第六十四章 [第一節:鳴動]/[第二節:邂逅] 第六十五章 [第三節:怨霊]/[第四節:憎悪]/[第五節:疑念] 第六十六章 [第六節:感触]/[第七節:認識] 「姫の閉ざされし檻、呪われし高貴」 第六十七章 [第一節:孤独]/[第二節:現実] 第六十八章 [第三節:賢者]/[第四節:信念] 第六十九章 [第五節:自我]/[第六節:誓約] 「ただその翼は、姫を解き放つ為に」 第七十章 [第一節:奇策]/[第二節:困惑] 第七十一章 [第三節:決闘]/[第四節:猛襲]/[第五節:進化] 第七十二章 [第六節:窮地]/[第七節:宵闇] [第八節:明星]/[第九節:開花] 「呪いと嘆きの縛鎖を、断ち切って」 第七十三章 [第一節:呪縛]/[第二節:悲壮] 第七十四章 [第三節:奈落]/[第四節:絶望]/[第五節:破局] 第七十五章 [第六節:奇跡]/[第七節:希望]/[第八節:至宝] 終章 「前を見た少女と、煌めく神の姫達」 [第一節:訣別]/[第二節:姉妹]/[第三節:逢瀬] [第四節:真心]/[第五節:約束] 外伝 その一 「新製品レポート──あるいは惚気話」 その二 「神姫たちの夜──あるいはその本性」(R指定) その三 「姦し神姫──あるいはトレーニング」 その四 「眠れない夜──あるいは清らな誓い」 その五 「聖者バレンタイン──あるいは歓喜」 その六 「燃ゆる聖杯の誘い──あるいは姫君」 その七 「特殊戦闘訓練──あるいは神姫無双」 前半/後半 その八 「晴れの舞台へと──あるいは内職業」 その九 「上がる緞帳──あるいは初日その一」 その十 「麗しき戦い──あるいは予選その一」 前半/後半 その十一 「誠意の返礼──あるいは初日その二」 その十二 「白鳥の乙女──あるいは予選その二」 前編/中編/後編 その十三 「熱気の坩堝──あるいは初日その三」 前半/後半 その十四 「熱き心魂──あるいは二日目その一」 その十五 「激烈なる拳──あるいは決勝その一」 前編/中編/後編 その十六 「折り返し──あるいは二日目その二」 その十六半 「零より来る者──あるいは準々決勝」 前編/中編/後編 その十七 「久方ぶりの羽休め──あるいは啓示」 その十八 「引き続いて羽休め──あるいは叙情」 その十九 「歌声、響いて──あるいは茜の日常」 その二十 「楽しい、来客──あるいは葵の日常」 その二十一 「叡智、輝いて──あるいは梓の日常」 その二十二 「星に、願いを──あるいは七夕の夜」 その二十三 「誇り──あるいはちょっとした挑戦」 前半/後半 その二十四 「現(いまどき)の神姫──あるいは祭」 その二十五 「水辺に泳ぐ女神達──あるいは入水」 前半/後半 その二十六 「最新の技術──あるいは公式の武装」 その二十七 「舞い踊る秋──あるいは少女の危機」 その二十八 「隣は何をする姫ぞ──あるいは晩秋」 その二十九 「大切な人に──あるいは粉雪の聖夜」 その三十 「曙の女神達──あるいは新年三ヶ日」 前半/後半 後日談 一幕 「紫風の尖姫──あるいは誇りと誓い」 [第一節:挑戦]/[第二節:宝石]/[第三節:騎兵] [第四節:軍隊]/[第五節:巨神]/[第六節:疾風] 二幕 「白花と黒華──あるいは聖者の再来」 [第一節:白花]/[第二節:聖者] [第三節:純愛]/[第四節:黒華]/[第五節:楽園] 各種解説 作中単語の解説・その一 作中単語の解説・その二(ネタバレ有り) 共通武装&共通装備の解説 軽量級ランク用武装の解説:その一 軽量級ランク用武装の解説:その二 重量級ランク用武装の解説 後日談で登場した武装の解説(ネタバレ有り) おまけ 商品案内:“Rosa bianca” 協力・引用 様々な方々のネタを、拝借・引用などさせてもらっています。 素晴らしい物を日々書き上げる皆々様に、最大限の感謝を。 HOBBY LIFE,HOBBY SHOP Gの人氏 戦うことを忘れた武装神姫 けものや氏 橘明人とかしまし神姫たちの日常日記 神姫の父氏 ねここの飼い方・劇場版 ねここのマスター氏 徒然続く、そんな話。 碧鈴の持ち主氏 凪さん家シリーズ チアキ氏 2036の風 「風」の人氏 魔女っ子神姫☆ドキドキハウリン ドキドキハウリンの中の人氏 剣は紅い花の誇り ぬえ氏 EXECUTION ―Requiem for Illegality― 穂刈氏 神姫ちゃんは何歳ですか? 優柔不断な人(仮)氏 狛犬はうりん劇場 参拝客氏 また、一部“2007年に実在した”ニュースを引用しています。 ※著作権上問題だと判明したので、見出しは撤去致しました。 ご意見等が有りましたら、こちらよりどうぞ。 閲覧: - 本日: - 昨日: - 最終更新日:2008年02月15日17時49分38秒 初回更新日:2007年01月16日 本編終了日:2008年01月25日 当頁及び関連頁の文責:妄想の人
https://w.atwiki.jp/busou_bm/pages/15.html
2chテンプレ 1 2 3 1 武装×美少女×アクションバトル 神姫たちの新たな戦い!舞台はPSPへ! フィギュアとPC用ゲームの連動で展開している『武装神姫』シリーズ。 その独自の世界観とキャラクターが、3Dアクションゲームとなってついにゲーム化!! ゲームは、物語が進むアドベンチャーパートと、神姫を操作して戦う3Dバトルパートを繰り返すことで展開。 武装パーツの購入やカスタマイズ、神姫との会話によるコミュニケーションなど、お楽しみ要素も満載! 心を通わせ、「神姫バトル」に勝利せよ! タイトル:武装神姫 BATTLE MASTERS(バトルマスターズ) 発売日:2010年7月15日 メーカー希望小売価格 UMD版 5800円[税込] ダウンロード版 4800円[税込] コナミスタイル通販 ※特別版とサントラを扱うのはコナミスタイルのみ 【送料無料】 武装神姫 BATTLE MASTERS 特別版+サントラセット 22,740円(税込) 武装神姫 BATTLE MASTERS 特別版 19,800円(税込) 武装神姫 BATTLE MASTERS (PSP) 5,220円(税込) 武装神姫 BATTLE MASTERS オリジナルサウンドトラック 2,940円(税込) 対応機種:PSP 仕様:UMD1枚(ダウンロードコンテンツあり) ジャンル:アクション プレイ人数:1~4人(アドホック通信対応) CERO審査区分:B(12歳以上対象) 武装神姫 BATTLE MASTERS公式サイト(PSP版ゲーム公式サイト) http //www.konami.jp/products/bs_psp/ 武装神姫シリーズ ポータルサイト http //busou.konami.jp/ コナミスタイル 武装神姫 BATTLE MASTERS特設コーナー http //www.konamistyle.jp/sp/busou_psp_sp/ ※コナミスタイルはメーカー直販サイトです。 武装神姫_BATTLE_MASTERS wiki http //www35.atwiki.jp/busou_psp/ 【PSP】武装神姫_BATTLE_MASTERS>>PART_16 http //jfk.2ch.net/test/read.cgi/handygame/1279430556/ 関連スレ オンラインサービス関連はネットゲーム板の該当スレへ ■武装神姫_BATTLE_RONDO>>PART_348 http //jfk.2ch.net/test/read.cgi/netgame/1279385889/l50 武装神姫のフィギュアの話題はおもちゃ板の該当スレへ ■コナミ_武装神姫_>>PART343 http //hideyoshi.2ch.net/test/read.cgi/toy/1279297027/l50 次スレは 900が立ててください。宣言や立てられない場合は指定を忘れずに。 2 ◆新機軸バトル「神姫ライドシステム」 神姫にライドし、LOVEパワー全開で必殺技やコンボ発動! ◆多彩なカスタマイズ! 豊富な武器や防具で、自分だけの神姫にカスタマイズ! ◆神姫たちは、人気声優によるフルボイス! LOVEの変化でイベント発生!神姫の個性に合わせたイベントが展開。 ◆最大4人での通信対戦バトル! アドホック通信により、タッグマッチやバトルロイヤルが可能。 ◆やり込み要素が満載 多彩なライバル神姫とのバトル/個性的なシナリオ/武器や武装が充実。 ◆充実のダウンロードコンテンツ配信予定 武装神姫の作家による書き下ろし武器など、続々登場。 コナミスタイル以外の特典付き店舗 いまじん http //imaginenext.shop21.makeshop.jp/shopdetail/003001000149/order/ http //www.imagine-group.jp/magicalpack/2010/07/15_010000.php ソフマップ http //www.sofmap.com/product_detail/exec/_/sku=11407535/-/gid=GF04030000 http //www.bokuaki.com/tokuten/main.php?id=67150382389931ttwgiazfzk 3 DL版とUMD版のロード時間比較 DL版の方が早い ~UMD版~ 全体→自宅へ 10秒 (自宅)神姫データ→武装エディット 2秒 (自宅)武装エディット→神姫データ 5~7秒 自宅→全体へ 3 秒 (ゲーセン)相手選択→会話開始 15秒前後 (ゲーセン)会話終了→戦闘開始 20秒前後 戦闘終了→賞金表示 6秒前後 賞金表示→会話 15秒前後 ~DL版~ 全体→自宅へ 5~7秒 (自宅)神姫データ→武装エディット 2秒 (自宅)武装エディット→神姫データ 4~5秒 自宅→全体へ 1秒(というかほぼ一瞬) (ゲーセン)相手選択→会話開始 6,7秒 (ゲーセン)会話終了→戦闘開始 6,7秒
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/229.html
装備品設定 【ガーベラ・ストレート】 別名、菊一文字。 2036年の武装神姫発売よりも前に作成された1/10スケールの打ち刀(日本刀)。 明確な記録は残っていないが、刃物職人が所持していた 複数のAI搭載型小型ロボットによって作成されたとされている。 総作成数は数百を超えるとも言われているが、 その中でもガーベラ・ストレートと呼ばれているのは 一定以上の(ほとんど限界とも思える)品質を持ったものに限られている。 作品中で柏木浩之が「将軍家御用達の刀じゃないか!」と言っているが、これは間違い。 正確には、鎌倉時代に後鳥羽上皇が一文字派の祖で備前国の刀工、 一文字則宗に打たせた一連の日本刀の総称である。 また、呼び名も正しくは菊一文字則宗という。 ただあくまでも総称なので、菊一文字という個別の刀は存在しない。 名刀と呼ばれた刀と同意な名を持つ、すなわちそれだけの品質があると認められた 数百の中の数十にも満たない小型ロボット用の打ち刀。 正しい使い方をすれば物理的な質量を持つあらゆるものを両断すると言われているが、 その神憑り的な切れ味に反し耐久力はけして高くなく、 誤った「真っ直ぐでない振り方」をすれば容易に破損してしまう。 そのため現存するガーベラ・ストレートは20にも満たないと言われている。 公式戦ランカーでの使い手は片手で足りる程度しかいない。 取引実勢価格は最低でも人間サイズの日本刀並で、 どうかすると高級乗用車並の値がつく事も。 2006年の経済基準で言えば二百~千数百万円といったところ。 【アムドライバー】 武装神姫の開発元である島田重工の前身、総合エンターテイメント企業・K社が 2004年に展開したマルチメディア作品の総称、及びその玩具シリーズの名称である。 TVアニメの放送終了と共に収束の一途を辿っていったが、 武装神姫の発売直後にK社から分離独立したAM社が 低年齢向けのMMSとして再展開した。 特徴は「低価格で頑丈」。 おおよそ武装神姫の半分程度の予算で済み、 大元から受け継いだ設計概念は高い耐久力を発揮する。 コスト面の問題から搭載されるAIは武装神姫よりも簡易なものが採用されているが、 実用上の問題は特に無い。 扱いやすさの点からパワーを低めに設定されているのだが、 その頑丈さは過剰なハイパワー化にも容易に耐えてみせる為、 他社MMSの強化パーツとして使われる事も多い。 ただしハイパワー化は制御が難しくなる面も併せ持っており、 公式戦でも過剰なハイパワー化で勝手に自滅する新人ランカーが 毎年の様に量産されている。 【エアバイザー】 正式名称、バンシー。 アムドライバーシリーズの強化装備であり、ステルス攻撃機に酷似した形状をしている。 速度は航空機型にしてはあまり早くないものの非常に優れた飛行制御能力を持ち、 ブースター停止時でも滑空による無音飛行が行なえる。 標準火器は軽量ビームガン「クラウ・ソナス(AGBS-HBG26)」を2門。 両翼には大型フィールドジェネレーターを内装し、 飛行時の揚力補助、並びにビーム防御フィールドを展開可能。 暫定的にビームガンとして利用することもできる。 バイザー系に共通の特徴として乗り物型のビークル・モードから アムジャケット(AM社のMMS)の鎧のようなブリガンディ・モードへの変形合体機能がある。 構成パーツのそれぞれはマスィーンズの様な自立機動が可能で、 バトルの最中に数秒以下で変形合体が可能。 レギュレーションによっては試合開始時の装備しか認められない事もあるので、 特性を大きく変えられるバイザーシステムは少ない装備で多くの戦略を取れる 優れた存在であると言えよう。 【マオバイザー】 ブロードバンド配信の勇者シリーズにハマったマオがでっち上げた、 ガオガイガー似の装備。 ライナーバイザー(ネオボードバイザー・ソードダンサー)、 ドリルバイザー(ネオボードバイザー・ガンシンガーにガトリングブレード装備) ステルスバイザー(エアバイザー) の3機のバイザーマシンが合体し、マオが乗り込むことでマオバイザーが完成する。 さらに追加でモノクル・マーグ(モノクルバイザー)と合体し、モノクルハンマーモードにもなる。 完全にネタかと言うと、そうでもない。 ガーベラを使い、回避ありきで戦うマオはバリアを張られると対抗策が何も無い。 かといってバリアを貫通する重い一撃を可能にする重量のある装備品では 肝心の回避力を殺してしまう。 そこでマスィーンズ的な存在を採用する事を思いついたのだ。 大きく強力なボディをマスィーンズに与えると本体AIにも相応の負担がかかるため、 大会ルールにおいても神姫本体に重量・体積制限はあっても マスィーンズ類にはそういった規定が無い。 どこかのピz…御令嬢の様に、10体以上のスレーブ神姫を使っても構わないのだ。 マオは自分のAIが同時並行処理に向いているのをこれ幸いとし、 大型の機体をサポートメカに採用した。 エアバイザーの芸達者なフィールドジェネレイターを、 膨大な出力を持つ2機のネオボードバイザーで駆動させる事により ガオガイガーのほぼ全ての技を再現する。 唯一、ハンマーヘル&ヘブンだけは光学ハーケンに時間加速ドライブを併用し、 相手コアの時間速度をほぼ停止状態にする。